【開催報告】JICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会(3拠点同時開催 東京・名古屋・オンライン)

JICA本部でのJICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会集合写真

 

■ 交流会開催報告

2025912日(金)、JICA本部(東京)、JICA中部センター(名古屋)、およびオンラインにて、採択事業者を対象としたJICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会を開催し、採択事業者やJICA関係者を含め合計約40名が参加しました。

 開会にあたり、JICA中部センター所長の上町透氏よりご挨拶をいただきました。その後、各採択事業者によるPoC(実証実験)計画の発表と質疑応答が行われました。

JICA本部でのJICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会の様子

 

交流会は、東京・名古屋・オンラインの3拠点を同時に接続し、各採択事業者が順番にPoC計画を説明しました。各会場から採択事業者同士やJICA職員による活発な質疑応答が行われ、また採択事業者間のビジネス連携についても話題があがり、有意義な交流の場となりました。

閉会にあたり、JICA企画部参事役の田中伸一氏よりご挨拶をいただき、東京会場ではその後ネットワーキングも実施されました。

 

JICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会集合写真(オンライン)

 

JICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会の様子(東京)

 

QUEST」では、20261月にデモデイ(一般公開イベント)の開催を予定しております。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 

■ 今後のスケジュール

PoC(実証実験):20258月~12
出口戦略検討・デモデイ:20261


ご質問がございましたら下記までご連絡ください。

 

お問い合わせ

QUEST事務局:quest-info@tohmatsu.co.jp
受付時間:9:30 -18:30 平日のみ、日英対応

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採択企業紹介③ 日本発の発達支援とAI技術で切り拓く、ベトナムのこどもたちに未来を届ける共創プロジェクト – NPO法人発達わんぱく会×エフバイタル株式会社

ベトナムのこどもたちへの支援とそれを撮影する様子

 

1. 共創事業立ち上げへの思い

私は、これまでベトナムの発達障害のあるこどもたちと関わる中で、その素直で愛らしい姿に強く惹かれてきました。しかし、日本では当たり前に受けられる発達支援が、ベトナムではほとんど届いていないという現実に直面しています。保護者の方々は、わが子の成長や将来に大きな不安を抱えながらも、どこに相談し、どのような支援を受ければよいか分からず、途方に暮れている方が多いと感じています。

病院や大学、そして保護者自身が療育施設を立ち上げていますが、施設数はまだ少なく、専門的な知識を持つ人材も圧倒的に不足しています。効果的かつ効率的に支援者を育成する仕組みの導入は、極めて重要です。

発達わんぱく会は、日本の発達支援の現場で実践を重ね、人材育成の仕組みを磨いてきました。エフバイタルは、新しいAI動画解析技術を開発し、発達障害のある幼児の発達状態を「見える化」することで、療育現場での効果的かつ効率的なアセスメントを可能にします。

日本で培った専門性と最新技術を組み合わせ、ベトナム現地の支援者が自律的に子どもと保護者を支えられる社会の実現にチャレンジします。

 

2. 共創事業内容

本事業では、発達わんぱく会が日本で15年にわたり培ってきた発達支援の実践ノウハウと、エフバイタルが開発したAI動画解析技術「Baby Track®」を活用し、ベトナムの療育機関・支援機関と共に、発達障害のある子どもたちのための新たな支援の仕組みを共創します。目指すのは、現地の支援者が自律的かつ継続的に子どもと保護者を支えられる体制の構築です。

具体的には、ベトナム・ハノイの特別支援機関を拠点とし、心理士・保育士の養成機関と連携してPoC(実証研究)を実施します。まず、現地支援者や学生を対象に発達支援に必要な基礎知識の講義を行い、その後、アセスメントや支援計画の作成を学ぶ実習に取り組みます。さらに、AI動画解析デバイスを活用して療育セッションを撮影・解析し、子どもの発達状態を見える化し、この解析結果をもとに、支援者自身が実践を振り返り、支援の質を高める仕組みを導入します。

また、困難な事例への対応力を高めるため、現地支援者と発達わんぱく会の専門職が共同でケース検討を行います。エフバイタルのAI技術による定量的な発達データと、日本で蓄積された質的な支援ノウハウを組み合わせることで、短期間で効果的な人材育成を実現します。

最終的には、このモデルをベトナム国内の特別支援機関ネットワークへと展開し、3年間で1万人の子どもと2万人の保護者に質の高い発達支援を届けることを目指します。

ベトナム ハノイでの学生向けの講義の様子

 

3. 共創パートナーの紹介

本事業は、日本とベトナムの複数の機関が連携して取り組みます。エフバイタル社は、特許を有するAI解析デバイスを提供し、子どもの発達状態を客観的に可視化し、支援者に有用な情報を提示する役割を担います。また、ベトナムの特別支援機関は、子どもや家庭を対象とした実践の場として重要な役割を果たし、実際の支援活動と技術を結び付ける基盤となります。さらに、ハノイ医科大学は心理士養成課程を活かし、将来の支援人材の育成に寄与します。これらのパートナーがそれぞれの強みを持ち寄ることで、先進的な技術と実践的な教育が融合し、現地に即した実効性の高い支援と人材育成のスキームを確立していきます。

ベトナムホアビン省 自閉症向け施設でのイベントの様子

 

4. 一般の方へのメッセージ・協力依頼

この事業は、ベトナムに暮らす発達障害のある子どもたちとその家族が、安心して暮らし、のびのびと成長できる社会を実現するための挑戦です。現地では支援体制が十分に整っておらず、保護者は深い不安を抱えながら日々を過ごしています。私たちは、日本で培った発達支援の専門性とAI動画解析技術を組み合わせ、現地の支援者が自律的に子どもと保護者を支えられる仕組みづくりに取り組んでいます。

この活動を成功させるためには、より多くの方々のご協力が必要です。ぜひ私たちと一緒に、ベトナムの子どもたちの未来のためにご支援・ご協力をお願いいたします。現地での活動に直接関わっていただくことはもちろん、興味のある方をご紹介いただいたり、周囲への広報や情報拡散、寄付など、さまざまな形での応援も大変心強いです。皆さま一人ひとりのお力が、この事業を大きく前に進めます。

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採択事業紹介② ガラパゴスから世界へ 生物多様性と地域経済を守る挑戦 – 株式会社坂ノ途中×株式会社バイオーム

アプリBiomeを使った環境教育ワークショップの様子(ボリビア)

 

1.なぜこの事業に取り組もうとしているのか(事業立ち上げの思い)

地球規模で生物多様性の損失が加速しており、このままでは食料や水資源、気候の安定など、人類の生存基盤が大きく損なわれる可能性があります。その影響として、年間44兆ドル規模の自然資本の損失が発生する恐れがあるとも指摘されています。
エクアドル共和国に位置するガラパゴス諸島は、世界遺産であり、約9,000種の固有種を有する生物多様性のホットスポットとして知られています。しかし、外来種の侵入、観光圧力、農地拡大、気候変動といった複合的な要因により、UNESCOからも「世界で最も脆弱な自然遺産の一つ」と警告を受けております。特に農業分野では、持続可能性の低い農法や経済的に不安定な小規模農家の現状が、環境保全と地域経済の両面において負の影響を及ぼしている状況です。
こうした背景を踏まえ、環境保全と生計向上を同時に実現するモデルの構築が求められております。本事業では、ガラパゴスのような象徴的な地域において、コーヒー生産を対象としたアグロフォレストリー(森林農業)の手法を活用し、生物多様性保全型の農業モデルを実証いたします。この取り組みを通じて、科学的データを伴う成果を示し、他の島嶼地域や農村地域にも展開可能なモデルを構築することで、生物多様性保全と小規模農家の収入向上を両立する未来を目指してまいります。

 

ガラパゴスの農園の空中写真

 

2. 何を実施しようとしているのか(事業内容)

本事業では、エクアドル共和国ガラパゴス諸島の小規模コーヒー農家を対象に、アグロフォレストリー型コーヒー生産を導入し、その効果を科学的に検証するPoC(概念実証)を実施いたします。
具体的には、株式会社バイオームが独自に開発した生物多様性モニタリングアプリを活用し、希少種の出現状況や鳥類・アリ・哺乳類などの指標種数、植生の多様性や階層構造、シェードカバー率、緑地連続性など、複数の指標を定量的に記録いたします。これにより、アグロフォレストリーが生物多様性に与える貢献を可視化することを目指します。
また、生産されたコーヒーについては、株式会社坂ノ途中が「生物多様性に貢献するコーヒー」としてブランディングを行い、日本国内のコーヒーロースターに販売します。この取り組みにより、小規模農家は安定した収益を得ると同時に、生物多様性保全に主体的に関わることが可能となります。
最終的には、このモデルを同様の課題を抱える生物多様性ホットスポットへ横展開し、環境保全と経済発展が両立する仕組みを広げていくことを目指しています。

 

アプリ使用シーン

コーヒーを乾燥させている様子

 

3. 誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

本事業は、京都発のスタートアップ企業2社により実施されます。
株式会社坂ノ途中は、日本国内において環境負荷の少ない農産物の販売を手掛けるとともに、海外から仕入れたスペシャルティコーヒーを日本のロースターに販売する事業を展開しています。同社は、持続可能な農業の推進や小規模農家支援に関する豊富な実績を有しており、エクアドルの現地パートナーや農園とのネットワークも保有しております。
株式会社バイオームは、独自の名前判定AIを活用した生物多様性モニタリング技術を有しており、スマートフォンを活用した簡易計測から高度なデータ解析まで幅広く対応可能です。同社は既にボリビアなど南米地域での導入実績があり、アプリのスペイン語対応も進めているため、ガラパゴス諸島でのフィールド実装において高い即応性を発揮できると考えています。

 

4. 一般の方への協力依頼等があれば

本事業は、ガラパゴス諸島という世界的にも象徴的な地域において、生物多様性保全と小規模農家の生計向上を同時に実現する挑戦的な取り組みです。このモデルを確立するためには、日本および国際社会からの資金的・技術的・市場的な支援が不可欠であると考えています。
特に事業の横展開にあたっては、国際機関や企業の皆様に対し、助成金や協賛による資金提供、サステナブルコーヒーの販路拡大へのご参画などを通じた長期的なご支援をお願い申し上げます。
ガラパゴス諸島での成功は、世界中の同様の課題を抱える地域に波及効果をもたらす可能性を秘めております。また、消費者一人ひとりの選択が、環境保全と地域発展の未来を形づくる力となります。この循環に多くの方々にご参加いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

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