共創テーマ名
ザンビア・ルサカ市の都市衛生環境改善を目的とした低コストな廃棄物の再資源化・再価値化の推進、簡易汚泥処理・活用技術導入等のアイデア募集
対象国・地域
ザンビア・ルサカ市
課題
本件は、首都ルサカ市の人口の7割(低中所得者層が主)が居住する未計画居住区の都市衛生環境を改善し、コレラ等の感染症の蔓延を抑制することを目指しています。ザンビアの未計画居住区は上下水道や排水等の基礎インフラの整備が遅れており、雨季には内水氾濫が発生し、素掘りのトイレ内の汚泥が流出し、井戸を含む生活環境を汚染しています。加えて、ごみの収集・運搬も十分に行われないため、住居のすぐ近隣の違法投棄所やごみが詰まった排水路から溢れた汚水等が、状況を更に悪化させています。これらの衛生環境の悪さは、感染症のリスクを招いており、2023年10月から発生したコレラのアウトブレイクでは、ルサカ市内において500名以上の死者を出しました。このような事態を繰り返さないことはザンビア政府、ルサカ市にとって大きな課題です。JICAはルサカ市の都市環境や公衆衛生改善のために様々な分野(都市計画、医療、感染症、水衛生、廃棄物管理)での協力を実施していますが、これらとの相乗効果を図り課題の解決を目指したいです。
なお、現在実施中の技術協力「ルサカ市きれいな街プロジェクト」においては、ごみ収集率の改善を一つの成果としています。2023年のごみ発生量は日量1,670トンと推計されていますが、このうち収集され、最終処分場で適正処分されているのは340トン(約20%)と推計されています。プロジェクトの上位目標として、2030年までにこの割合を60%以上にすることを目指していますが、なお日量670トン(40%)ものごみが未収集のままとなる見込みであり、その多くは未計画居住区で発生するものと考えられます。ルサカ市統合固形廃棄物管理公社(LISWMC)は、Community Based Enterprises(CBE)と呼ばれる組織と委託契約を結び、未計画居住区のごみ収集を進める方針ですが、ごみ収集率を向上させるのと並行して、再資源化の促進も必要であると考えます。LISWMCがCBEに対するごみ収集ライセンスの付与によって収益を得る一方で、CBEが契約者からのごみ収集料金徴収に加え、有価物の取引による収益を得ることができるようになれば、よりCBEによる未計画居住区でのごみ収集率が向上することが想定されます。廃棄物管理の改善においては、未計画居住区でのごみ収集を担うCBEと彼らから有価物を買い取る民間企業が主体となることを想定しています。
また、2022年のJICAの調査によれば、未計画居住区の人口の約90%がピットラトリンと呼ばれる素掘りのトイレを使用しており、それらを利用する貧困層は、インフォーマル事業者による劣悪な汚泥引き抜きサービスに高額な料金を支払わざるを得ない状況にあります。世界銀行(WB)とアフリカ開発銀行(AfDB)の支援により、ルサカ市上下水道公社(LWSC)は2020年から民間企業への委託によるフォーマルな汚泥引き抜きサービス提供・汚泥処理場の整備・運営を開始したが、2022年にWB・AfDBプロジェクトが終了して補助金の原資がなくなっており、持続性が危ぶまれています。前述のとおりピットラトリン式のトイレは、洪水時に井戸水等の汚染を引き起こす主要因であると同時に、構造上地下水汚染の要因となることも懸念されており、これ以外のより衛生的かつ環境汚染の少ない方式のトイレへのニーズが潜在的に存在すると考えられます。オンサイトサニテーションに関しては、トイレ汚泥回収を担う民間企業が主体となることを想定しています。
実証検証のイメージ
ルサカ市の未計画居住区において、以下のような切り口から、都市衛生環境の改善につながる実証を想定しています。ただし、上記の課題解決に繋がるものであれば想定している実証実験以外も受け付けることとします。
- 廃棄物管理の改善(特に再資源化・再価値化の推進):例えば、ペットボトルに関しては、地元の零細企業や個人による未計画居住区や処分場からの回収とリサイクル工場への販売、工場での再資源化(ペレット化)は細々行われています。一方で、住民がゴミを分別しないこと(分別のインセンティブもない)等による回収効率の低さ、工場への販売から得られる収益の低さ等から、再資源化が大きく進展しない状況にあります。生ごみに関しては、ゴミ全体の6割を占めるものの、ペットボトル以上に分別はなされず、他のゴミと混ざった状態で捨てられています。後述の通り、堆肥への需要は確認されているものの、回収と堆肥化が進んでいない状況にあります。
- オンサイトサニテーション(その場で汚泥処理できるトイレ・衛生施設)の導入・推進:上記のWBとAfDBによる支援にて整備された汚泥処理施設にて堆肥化され、市民や農家への販売が行われています。販売量以上の需要が確認されているが、汚泥の回収・堆肥化が追い付いていない状況にあります。
裨益者・顧客・プレイヤーは以下を想定しています。
- 裨益者:未計画居住区の住民(特に貧困層)
- 顧客
- 廃棄物管理改善:民間企業(有価物の購入)、未計画居住区の住民(料金支払い)、農家(コンポストの購入)、市民(リサイクル品の購入)
- オンサイトサニテーション:民間企業(汚泥の購入)、住民(料金支払い)、農家(コンポストの購入)、市民(リサイクル品の購入)
- プレイヤー
- 廃棄物管理改善:CBE(有価物の収集・運搬)、住民(有価物の運搬・持ち込み)、民間企業(有価物の購入・輸送・再資源化)、LISWMC(有価物回収事業の認可)
- オンサイトサニテーション:民間企業(衛生トイレの設置、汚泥の回収)、LWSC(衛生トイレ設置・汚泥回収事業の認可)
期待する実績・専門性
提案内容・実績・専門性について以下に例示しますが、上記の課題解決に繋がるものであれば、広く受け付けることとします。
- 未計画居住区におけるごみ収集の改善(有価物の効率的な収集等)
- プラスチックごみ等の有価物の再資源化・再利用(ペットボトル等)
- 生ごみ、トイレ汚泥等の有機物の再資源化・再価値化(コンポスト化、昆虫を活用した家畜・家禽飼料等の生産、バイオガス化)
- 素掘りのトイレに代わる、低コストで衛生的かつ汚泥処理のしやすいトイレの導入
JICAからご提供できること
関連案件の紹介、現地関連省庁や組織の紹介、現地状況の共有、開発分野における環境管理に関する知見の共有、助言等
リバースピッチ予定
福岡(録画)・東京(対面)
※録画はピッチ無し/各自で適宜モニターを鑑賞する形式

