採択事業紹介⑧日本の先端技術とアフリカの大地が生み出す、持続可能なシアバター革命 SHEAPURE LTD × 東北大学大学院工学研究科 × 株式会社アクロス東北

SHEAPURE LTDのAisha Rilwanu氏の活動(ナイジェリア)

 

1. なぜこの事業に取り組もうとしているのか

SHEAPUREプロジェクトを始めた理由は、日本の最先端技術とアフリカに豊富にある天然資源を結びつけ、地域の可能性を広げたいという思いからです。ナイジェリアは世界最大のシアバター生産国で、全体の55%を占めています。多くの農村女性たちがシアバターの生産に携わり、その生活を支えています。

しかし、従来の加工方法では品質や効率に限界があり、世界市場での競争力を高めることが難しいのが現状です。そんな中、SIH JICAプログラム[1]を通じて東北大学渡辺研究室の「超臨界流体抽出技術」[2]に出会い、ナイジェリアの豊かな資源に日本の技術を組み合わせることで、シアバター産業を大きく変えられると確信しました。

私たちは、世界基準の高品質な製品を生み出すだけでなく、シアバター生産の現場で働く女性たちが、より高い収入や持続可能な仕事、そして誇りを持てる環境をつくることを目指しています。日本のイノベーションとアフリカの起業家精神を融合させ、地域社会の力を引き出す新しい成長モデルを実現したいと考えています。


ナイジェリアでシアバター生産に従事する女性たち

 

2. 事業内容

SHEAPURE LTDでは、日本の最先端技術「超臨界流体抽出法」と、アフリカの農村女性たちの知識や資源を活かした、持続可能なシアバターの生産体制づくりに取り組んでいます。

具体的には、国際基準を満たす高品質なシアバターや関連製品を食品・化粧品・医薬品向けに製造するとともに、廃棄物の削減や環境への配慮にも力を入れています。地域に加工拠点を設け、女性たちへの技術研修を行い、グローバル市場への直接販売を目指すことで、生産者の収入アップやフェアトレードの推進、アフリカ産シアの国際競争力向上につなげます。

社会的なインパクトと商業的な持続可能性を両立し、テクノロジーと地域コミュニティの力を合わせた新しいモデルを創出します。

QUESTアイデアコンペでのSHEAPURE LTDのプレゼンテーション

 

3. 誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

SHEAPURE LTDは、東北大学渡辺研究室および株式会社アクロス東北と連携しています。渡辺研究室は「超臨界流体抽出技術」の研究・技術移転を担当し、株式会社アクロス東北はパイロットプラントの設計やコスト分析、ライフサイクルアセスメント(LCA)などを支援しています。

これらのパートナーと共に、科学・技術・産業の基盤を築き、プロジェクトの実現と拡大を目指しています。

SHEAPURE LTDと東北大学渡辺研究室のメンバー

 

4. 一般の方へのご協力のお願い

SHEAPURE LTDは、持続可能で高品質なシアバター製品の生産と地域コミュニティの活性化を目指しています。このビジョンに共感いただける皆さまのご協力を、心よりお待ちしています。

具体的には、下記のようなご支援・ご協力を求めています。

  • 高品質で倫理的に調達されたシアバターや原材料を自社製品に活用したい化粧品・製薬会社などとの事業連携
  • パイロットプラント設置や技術強化、地元女性への研修拡充のための資金支援
  • プロセスの最適化やライフサイクルアセスメント(LCA)、持続可能な包装など技術面でのご協力
  • グローバル市場や社会的責任投資家とのネットワーク構築、広報活動へのご協力

皆さまとのパートナーシップを通じて、産業界に高品質な原材料を提供するとともに、地域社会のエンパワーメントと環境に配慮した生産を実現していきます。

SHEAPURE LTDのAisha Rilwanu氏とナイジェリアの女性たち

 

[1] JICA Website (Application Closed on Jan 12th, 2025) Call for Application: Social Innovator Hub Incubation Program  https://www.jica.go.jp/english/activities/issues/private_sec/information/2024/sih2025_2nd.html

[2] JICA Website [11] Dr. Masaru Watanabe
https://www.jica.go.jp/english/activities/issues/private_sec/SIH2025_dr_watanabe.html

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採択企業⑦ 日・モンゴル連携による成層圏気球実験プロジェクト-草原を舞台に広がる宇宙教育の新展開 独立行政法人国立高等専門学校機構 香川高等専門学校×モンゴル日本共同技術高等学校

1. なぜこの事業に取り組もうとしているのか

成層圏気球実験は、複数の大学や高等専門学校(以下「高専」)が連携して実施できる教育・研究活動です。ロケット打ち上げとは異なり宇宙空間には到達しませんが、上空約30kmの成層圏まで到達できます。気球は気圧の低下により上空で膨張・破裂し、その後、観測機材(ペイロード)は取り付けたパラシュートで地上に落下します。この実験は、宇宙開発の登竜門として位置付けられています。

 日本では国土の約7割が山間部で、海に囲まれているため、ペイロードの回収地点が洋上になることが多くあります。しかし、海面着水後は海流による移動が頻発し、回収が困難になる場合があります。また、気象条件の変化によって山間部に落下し、樹木に引っかかるケースもあり、回収率の低さが課題です。一方、モンゴルは国土の大部分が草原であるため、安全かつ高い回収率で成層圏気球実験が可能です。

(a) 気球放球準備 (b) 実験環境の様子 (c) 草原でのペイロード回収

図1 モンゴルでの成層圏気球実験の様子(20256月)


このような背景から、本事業では日本とモンゴル双方の強みを活かした「日モンゴル宇宙教育連携プロジェクト」を実施します。香川高等専門学校(以下「香川高専」)は、これまで培った成層圏気球実験のノウハウを活かし、基本的なペイロードキットをモンゴル工業技術大学高専・モンゴル科学技術大学付属高専・新モンゴル高専(以下,モンゴル3高専)に提供します。一方、モンゴル3高専は実験環境を提供し、両者の協力により、安全で効率的な成層圏気球実験の実現を目指します。

 

2. 事業内容

   (a) 内部構造  (b) 外観

図2 香川高専が開発した成層圏気球実験用ペイロード(左:内部構造、右:外観)


図2は、香川高専が開発した成層圏気球実験用ペイロードです。搭載されたマイコンと各種センサにより、気温・湿度・気圧・位置情報・時刻などのデータを取得し、LoRaモジュール(小型無線機)を用いて地上へデータを送信します。受信側では、上空で観測したデータをリアルタイムで受信できます。

 


図3 ペイロードが成層圏から撮影した写真(20256月)


また、図3は20256月にモンゴルで実施した予備実験時に成層圏から撮影した写真です。
本事業では、モンゴル3高専の高専生を対象に、12月に香川高専でペイロードの利用方法に関するワークショップを開催します。その後、提供するペイロードキットを基盤として、各高専で独自のミッションを企画・検討し、20263月にモンゴルで成層圏気球実験を実施します。
さらに、モンゴル語によるペイロードキットの利用マニュアルを整備し、モンゴル3高専の学生がより容易に活用できるよう工夫します。

 

3. 誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

図4 ウランバートルに所在するモンゴルの3高専
高専機構HPより引用( https://www.kosen-k.go.jp/global/mongolia 


ウランバートルに所在する3つの高等専門学校(モンゴル工業技術大学付属高専、モンゴル科学技術大学付属高専、新モンゴル高専)と連携し、成層圏気球実験を推進します。各校の参加希望学生に対してワークショップの開催とペイロードキットの提供を行い、成層圏気球実験に必要な基礎技術の習得を支援します。さらに、本取り組みを通じて将来的な衛星開発への関心と機運の醸成を目指します。

 

4. 一般の方へのご協力のお願い

日モンゴル共同気球実験は、例年3月に実施され、希望する大学や高等専門学校の学生が参加しています。本実証実験への参加を希望される団体には、ペイロードキットの利用方法に関するレクチャーの提供も可能です。日モンゴル間の宇宙教育に参画を希望される団体がありましたら、ぜひご相談ください。本取り組みは、国際共同教育の優れた実践事例となると考えています。

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【オーディエンス募集開始】JICA共創×革新プログラム「QUEST」 Demo day

JICA主催、デロイトグループ運営の「JICA共創×革新プログラム『QUEST』」のデモデイを、Tokyo Innovation Base(東京都丸の内)及びオンラインにて開催いたします。本イベントでは、国内外の多様な9団体による実証実験の成果をご報告いたします。社会課題の解決に向けた革新的な取り組みの数々を、ぜひご覧ください。
さらに、2026年度「QUEST」プログラムの最新情報もいち早くご紹介予定です。イノベーションや共創にご関心の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

■   デモデイ開催概要
日時:1/19(月)16:00~19:30(JST)
形式:ハイブリッド開催(オンライン、日英同時通訳あり)
現地会場:Tokyo Innovation Base(東京都千代田区丸の内3-8-3)

 

 ■   プログラム(予定)
16:00-16:05 オープニング
16:05-16:15 QUEST概要説明
16:15-18:15 QUEST採択企業 成果報告ピッチ ※途中休憩あり
18:15-18:25 クロージング
18:25-19:30 ネットワーキング

 

■   参加申し込みフォーム:申込締切:1/16(金)12:00(JST)

JICA共創×革新プログラム「QUEST」 Demoday オーディエンス参加申込フォーム

 

■  「QUEST」デモデイ参加予定9共創団体(順不同)

採択事業者 地域 事業概要
Agrabah Ventures Inc. / Naga College Foundation, Inc. フィリピン・マレーシア等 地域主導の海藻養殖で炭素クレジットを生成し、地球規模の気候変動緩和を支援
FiberCraze株式会社 / Tropical Infectious Diseases Research & Education Centre (TIDREC) マレーシア・インドネシア等 デング熱やマラリアなど蚊媒介感染症予防に特化した高機能性繊維製品の開発
NPO法人発達わんぱく会 / エフバイタル株式会社 ベトナム 発達支援に関する専門性とAIによる動画解析技術を活用した自閉症支援の人材育成
SheaPure NG / 東北大学大学院工学研究科 / 株式会社アクロス東北 ナイジェリア 伝統的なシアバター生産に超臨界流体技術(SFT)を導入
株式会社ジェネラス / 株式会社MITAS Medical バングラデシュ 心電図・脈拍測定とデータを管理するITシステムによる遠隔心臓リハビリと疾病予防体制構築
株式会社セツロテック / 住友商事株式会社 モンゴル モンゴルのカシミヤヤギの品種を改良し、高付加価値なカシミヤが生産できるヤギの開発
株式会社坂ノ途中 / 株式会社バイオーム エクアドル アグロフォレストリーによるコーヒー栽培と生態系モニタリングを通じたガラパゴス諸島の生物多様性保全と小規模農家の生計向上事業
国立大学法人九州大学 / Guan株式会社 タイ エピゲノムを活用した新しい種子の改変技術を用いて、世界の食料問題を解決
独立行政法人国立高等専門学校機構 香川高等専門学校 / モンゴル日本共同技術高等学校 モンゴル 日モンゴル宇宙教育連携プロジェクト ーCubeSat教材と成層圏気球実験による国際共同教育の実践ー

 

ご質問がございましたら下記までご連絡ください。

 

お問い合わせ

QUEST担当事務局:quest-info@tohmatsu.co.jp

受付時間:9:30 -18:30 平日のみ、日英対応

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採択事業紹介⑥ 先端繊維技術で“あたりまえの日常”を守る-蚊媒介感染症への挑戦 FiberCraze株式会社×マラヤ大学熱帯感染症研究教育センター(TIDREC)

FiberCrazeとTIDRECメンバーの集合写真

 

1.  なぜこの事業に取り組もうとしているのか

私たちFiberCrazeは、「ミクロな技術で人類と地球の未来を織りなす」というビジョンのもと、蚊媒介感染症の予防に貢献する先端繊維素材の社会実装に挑戦しています。

熱帯・亜熱帯地域で流行するデング熱やマラリアは、蚊に刺されるという身近な行為によって日々の生活が脅かされ、健康だけでなく教育や労働の機会にも大きな影響を与えています。私たちはこれまで東南アジア4カ国を訪問し、現地の病院で罹患者の多さに衝撃を受けました。

こうした経験から、“衣服”という最も身近なプロダクトを通じて、日常生活の中で感染リスクを減らす予防インフラをつくりたいと考えています。独自技術を用いた繊維素材「Craze-tex®」を活用し、防虫成分を閉じ込めた高機能素材の開発を進めています。

研究開発だけでなく、現地の生活に根ざした品質や供給体制まで設計するには、疾病生態・評価法・公衆衛生等の知見が不可欠です。今回「QUEST」に採択されたことで、熱帯感染症研究の世界的権威であるマラヤ大学熱帯感染症研究教育センター(TIDREC)とともに、科学的有効性と現場適合性を両立させる国際共創を加速させます。

日本が誇るテクノロジーを暮らしの価値へ転換し、持続可能な感染症予防の選択肢を世界に届けます。

Craze-tex®

 

2.  事業内容

本事業では、以下の3つの柱を中心に取り組みます。

  1. 高機能防蚊・防虫繊維の設計・試作
    快適性や耐久性、環境負荷にも配慮した素材設計を行い、30年以上にわたる学術研究から生まれたナノテクノロジーと先端高機能素材「Craze-tex®」を用いて、忌避・阻害・吸血抑制など複合メカニズムによる高機能素材を試作します。
  2. ラボテストおよびフィールドでの有効性評価
    TIDRECが持つ感染症に関する豊富な知見と最先端の研究基盤を活用し、熱帯・亜熱帯地域に標準化された試験系による効果検証や、実際の生活環境に近い条件下での検証を段階的に実施します。
  3. 現地適合型の製品化・供給モデル検討
    現地ヒアリングを通じて生活者の受容性を把握し、学校・医療・産業など用途別の導入シナリオを設計します。また、現地の工場・販売事業者との分業連携や、調達・物流・アフターサービスまで含めた供給モデルも検証します。

これらを通じて、科学的なエビデンスと現場のニーズを両立させた製品開発を目指します。


マレーシア現地の医療従事者へのヒアリング


マレーシア現地の病院視察

 

3.  誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

TIDRECは、マラヤ大学に設立されたマレーシアを代表する感染症研究機関です。デング熱、マラリア、ジカウイルスなど熱帯地域の感染症研究に特化しており、最先端の研究設備と国際的なネットワークを駆使して、感染症の早期発見・診断・予防・治療法の開発に取り組んでいます。

FiberCrazeとの共創により、両機関の専門知識と技術を結集し、グローバルな健康課題に対する具体的な解決策の創出を目指します。世界有数の感染症研究機関であるTIDRECとの共同研究を通じて、現地の課題解決に向けた革新的なソリューションの開発に取り組みます。

TIDRECとの連携協議の様子

 

4.  一般の方へのご協力のお願い

私たちは、感染症から“あたりまえの日常”を守るために、本事業に全力で取り組んでいます。実験室で証明された有効性を、現地の生活に根づいた価値へとつなげていきたい。そのためには、皆さまのご協力が不可欠です。

下記の分野でご協力いただける自治体・教育機関・企業・NGOの皆さまを募集しています。今後の製品量産や現地での展開に向け、伴走支援をいただけますと幸いです。

  • 実証フィールドのご提供:学校・医療・農業・建設・観光等の現場で、ユニフォーム/寝具/防護資材などをパイロット導入し、効果測定や受容性調査にご協力いただける方
  • ものづくり・販売連携:東南アジア域内での小ロット縫製、在庫連携、ローカルECや小売での販売検証にご協力いただける方
  • 資金・支援:インパクト投資、助成、CSR・寄付、販路開拓などでご支援いただける方
  • 情報発信:感染症リスクの正しい理解と予防行動の普及活動にご協力いただける方

皆さまとともに、持続可能な感染症予防の未来を切り拓いていきたいと考えています。ご関心のある方は、ぜひお問い合わせください。

 

■ 会社情報・連絡先
FiberCraze株式会社 / FiberCraze Co., Ltd.
岐阜県岐阜市柳戸1-1 国立大学法人 東海国立大学機構 岐阜大学 学術研究・産学官連携推進本部内
代表取締役社長 長曽我部 竣也
HP:https://www.fibercraze.com/ja
アドレス:info@fibercraze.com
電話番号:058-293-3357

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採択企業紹介⑤ 地域の力で切り拓くカーボン認証とネットゼロ共同プロジェクト- Agrabah Ventures Inc. × Naga College Foundation, Inc.

Agrabah Ventures Inc.とNaga College Foundation, Inc.の共同チームが、カマリネス・スール州カラモアンおよびナガ市のスタッフとともに能力向上と交流のセッションを開催し、地域レベルでの気候変動対策に向けた協力体制と知識の共有を強化した場面

 

1. なぜこの事業に取り組もうとしているのか

世界中の国々が「2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)」を目指していますが、最も大きな課題は「測定できないものは管理できない」という点です。

フィリピンでは、大企業は証券取引委員会(SEC)のガイドラインに基づき、毎年、サステナビリティ報告書の提出が義務付けられています。しかし、国内の企業の99.6%は中小・零細企業(MSME)で、2023年時点で1,246,373社のうち1,241,733 (99.63%)社がMSMEです(フィリピン貿易産業省調べ)。

これらMSMEによる温室効果ガス排出量は、実際にはほとんど把握されていません。Agrabah Ventures Inc.(Agrabah)の推計によると、MSME全体で年間約7,000万トンのCO₂が排出されていると考えられていますが、公式なデータはありません。これはフィリピン全体の排出量(2020年は2億トン超)のかなりの割合を占めます。

この「見えない排出量」はフィリピンだけでなく、ASEAN諸国でも共通の課題です。多くの国でMSMEが経済の中心ですが、彼らのカーボンフットプリントはほとんど記録されていません。

こうした課題を受け、Agrabah(ASEAN Business Awards 2023 Net Zero Awardを受賞)は、現地の事情に合ったカーボン計測・削減・オフセットの仕組み「ネットゼロ政策フレームワーク」を開発しました。これは企業だけでなく農業コミュニティにも使える仕組みです。

また、Naga College Foundation, Inc.(NCF)の研究・研修・開発センターは、科学的な調査と現地データの収集・検証を担当し、地域の持続可能な気候対策を後押しします。

 

2. 共創事業内容

QUESTでは、地域に根ざしたカーボン認証・クレジット制度の実証を目指しています。農家や中小企業が自分たちの温室効果ガス削減活動を「見える化」し、認証・収益化できる仕組みをつくることが目的です。

Agrabahの自然を活かした気候対策の専門性と、NCFの研究力を活かし、科学的かつ地域の実情に合わせたカーボン測定・報告・検証(MRV)モデルを設計しています。これにより、地方自治体や地元企業が参加しやすい制度づくりを進めています。

この取り組みは、政策主導・科学的根拠・包摂性を重視し、地域レベルでのカーボン会計や取引を身近なものとし、気候変動に強い地域づくりを目指しています。

JICA QUESTの一環として、農場のカーボンクレジット認証に向けた審査を進めている様子

 

3. 誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

このプロジェクトは、共創パートナーであるNaga College Foundation, Inc.に加えて、フィリピンの多様な関係者が協力して進めています。主なパートナーは以下の通りです。

  • サンホセ市(パルティド)の地方自治体
  • ナガ市の地方自治体
  • カマリネス・スール州カラモアンの海藻養殖コミュニティ
  • メトロナガ商工会議所(MNCCI)

これらのパートナーは、政策・学術・民間企業・地域コミュニティが連携する「包摂的なネットゼロ移行」の基盤となっています。

カマリネス・スール州サンホセ町(パルティド地区)のJerold Peña市長に対し、Agrabah Carbon+プロジェクトの初期説明を行っている場面。左から、Ms. Jayzel Asido, Mr. Jun Ocol, Mayor Jerold Peña, Ms. Jojo Gumino-Ocol, Dr. Regina Valencia, and Ms. Jennifer de Jesus.

 

4. 一般の方へのご協力のお願い

Agrabah–NCF共同プロジェクトは、単なる実証実験ではなく、「誰もが参加できる測定可能な気候アクション」のムーブメントです。政策設計、地域自治、研究、そして生業のイノベーションを結びつけることで、すべての中小企業や農業コミュニティが低炭素経済への参加を実現できるよう目指しています。

私たちは、研究機関、地方自治体、企業、開発団体の皆さまがこの取り組みに参画し、共にスケールアップしていくことを期待しています。地域の強さや創意工夫、持続可能性への思いを反映した「カーボンエコシステム」を、フィリピンからASEAN諸国のモデルとして築きましょう。

データを行動へ、政策を成果へ、地域を気候チャンピオンへ。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

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採択事業紹介④ 精密育種で守るモンゴルの大地―カシミヤヤギ育種プロジェクトの挑戦 株式会社セツロテック × 住友商事株式会社

モンゴルでの現地調査の様子


1. なぜこの事業に取り組もうとしているのか

セツロテックは、徳島大学の教員であった竹本龍也と沢津橋俊らが開発したバイオテクノロジーを産業へ実装するため、2017年に設立された徳島大学発のスタートアップ企業です。2019年からは、従来の「優れたオスとメスを掛け合わせる」統計的な育種法に代わり、遺伝子を化学的に直接書き換え、品種改良を進める「精密育種」という新しい技術に取り組んできました。

この技術を活用し、モンゴルでカシミヤヤギの品種改良を通じて砂漠化を止めたいというお客様からのご要望があり、名古屋大学等と共同で技術開発に着手しました。特許出願を経て、精密育種の技術が確立し、モンゴルでのプロジェクトも本格化した矢先、コロナ禍の影響でお客様の経営方針が変更となり、プロジェクトから撤退されることとなりました。

しかし、セツロテックはこのプロジェクトの価値を信じ、自社研究としてカシミヤヤギの開発を継続することを決定。その後、住友商事と資本業務提携を結び、現在も本プロジェクトを推進しています。

 

2. 事業内容

モンゴルは世界のカシミヤ生産量の約半分を占める一大産地で、カシミヤヤギの頭数は近年2500万頭近くまで増加しています。しかし、ヤギは草を根こそぎ食べる特性があり、砂漠化の一因とされています。モンゴル政府も国家戦略「VISION2050」の中で砂漠化対策を重要課題と位置付けています。

そこで私たちは、カシミヤヤギの精密育種によって、一頭あたりの生産価値を高める品種改良に取り組んでいます。モンゴルのカシミヤは15~18μmほどの繊維径ですが、13~14μmの「ベビーカシミヤ」と呼ばれるブランド繊維は、数倍の価格で取引されています。精密育種技術を活用し、より細い繊維を生産できるヤギの開発を目指しています。

ただし、ヤギの精密育種は収益化までに時間がかかるため、短期的な事業プランとして、育種プロセスに関連する「遺伝子検査事業」の事業化も調査しています。育種業界では、遺伝子型による選別手法「マーカー育種」が活用されていますが、モンゴルのヤギにもこのサービスを提供できないか検討中です。

また、モンゴル国内でカシミヤヤギの開発を進めるため、本プロジェクトに共感しご支援いただける現地投資家の方々も募集しています。


モンゴルのカシミヤヤギ

 

3. 誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

共創パートナーである住友商事株式会社は、世界63か国に127拠点を持つ総合商社です。同社のアグリイノベーションユニットは、農業・畜産分野における持続可能な発展と技術革新を推進しており、次世代の食料生産システム構築に取り組んでいます。

住友商事は、精密育種技術に着目し、2022年11月にセツロテックと資本業務契約を締結。現在は、ニワトリ・ブタなどの畜産動物や、酵母・酵素などの微生物を中心に、様々な分野で精密育種による事業開発を進めています。本プロジェクトも昨年から協力体制を構築し、住友商事のモンゴル・ウランバートル事務所のメンバーも加わり、現地の産官学パートナーとの調整や交渉を進めています。

 

4. 一般の方へのご協力のお願い

セツロテックでは、精密育種技術を様々な生物に適用し、高付加価値・高生産性の農畜産物や食品・化学品生産に挑戦しています。新商品の開発や生産のアップデートなどのニーズがございましたら、精密育種を活用したソリューションをご提案できるかもしれません。ぜひ一度、私たちとディスカッションし、新たな課題解決の可能性を探ってみませんか。


モンゴルのカシミヤヤギの集団

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【開催報告】JICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会(3拠点同時開催 東京・名古屋・オンライン)

JICA本部でのJICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会集合写真

 

■ 交流会開催報告

2025912日(金)、JICA本部(東京)、JICA中部センター(名古屋)、およびオンラインにて、採択事業者を対象としたJICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会を開催し、採択事業者やJICA関係者を含め合計約40名が参加しました。

 開会にあたり、JICA中部センター所長の上町透氏よりご挨拶をいただきました。その後、各採択事業者によるPoC(実証実験)計画の発表と質疑応答が行われました。

JICA本部でのJICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会の様子

 

交流会は、東京・名古屋・オンラインの3拠点を同時に接続し、各採択事業者が順番にPoC計画を説明しました。各会場から採択事業者同士やJICA職員による活発な質疑応答が行われ、また採択事業者間のビジネス連携についても話題があがり、有意義な交流の場となりました。

閉会にあたり、JICA企画部参事役の田中伸一氏よりご挨拶をいただき、東京会場ではその後ネットワーキングも実施されました。

 

JICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会集合写真(オンライン)

 

JICA共創×革新プログラム「QUEST」キックオフ交流会の様子(東京)

 

QUEST」では、20261月にデモデイ(一般公開イベント)の開催を予定しております。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 

■ 今後のスケジュール

PoC(実証実験):20258月~12
出口戦略検討・デモデイ:20261


ご質問がございましたら下記までご連絡ください。

 

お問い合わせ

QUEST事務局:quest-info@tohmatsu.co.jp
受付時間:9:30 -18:30 平日のみ、日英対応

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採択企業紹介③ 日本発の発達支援とAI技術で切り拓く、ベトナムのこどもたちに未来を届ける共創プロジェクト – NPO法人発達わんぱく会×エフバイタル株式会社

ベトナムのこどもたちへの支援とそれを撮影する様子

 

1. 共創事業立ち上げへの思い

私は、これまでベトナムの発達障害のあるこどもたちと関わる中で、その素直で愛らしい姿に強く惹かれてきました。しかし、日本では当たり前に受けられる発達支援が、ベトナムではほとんど届いていないという現実に直面しています。保護者の方々は、わが子の成長や将来に大きな不安を抱えながらも、どこに相談し、どのような支援を受ければよいか分からず、途方に暮れている方が多いと感じています。

病院や大学、そして保護者自身が療育施設を立ち上げていますが、施設数はまだ少なく、専門的な知識を持つ人材も圧倒的に不足しています。効果的かつ効率的に支援者を育成する仕組みの導入は、極めて重要です。

発達わんぱく会は、日本の発達支援の現場で実践を重ね、人材育成の仕組みを磨いてきました。エフバイタルは、新しいAI動画解析技術を開発し、発達障害のある幼児の発達状態を「見える化」することで、療育現場での効果的かつ効率的なアセスメントを可能にします。

日本で培った専門性と最新技術を組み合わせ、ベトナム現地の支援者が自律的に子どもと保護者を支えられる社会の実現にチャレンジします。

 

2. 共創事業内容

本事業では、発達わんぱく会が日本で15年にわたり培ってきた発達支援の実践ノウハウと、エフバイタルが開発したAI動画解析技術「Baby Track®」を活用し、ベトナムの療育機関・支援機関と共に、発達障害のある子どもたちのための新たな支援の仕組みを共創します。目指すのは、現地の支援者が自律的かつ継続的に子どもと保護者を支えられる体制の構築です。

具体的には、ベトナム・ハノイの特別支援機関を拠点とし、心理士・保育士の養成機関と連携してPoC(実証研究)を実施します。まず、現地支援者や学生を対象に発達支援に必要な基礎知識の講義を行い、その後、アセスメントや支援計画の作成を学ぶ実習に取り組みます。さらに、AI動画解析デバイスを活用して療育セッションを撮影・解析し、子どもの発達状態を見える化し、この解析結果をもとに、支援者自身が実践を振り返り、支援の質を高める仕組みを導入します。

また、困難な事例への対応力を高めるため、現地支援者と発達わんぱく会の専門職が共同でケース検討を行います。エフバイタルのAI技術による定量的な発達データと、日本で蓄積された質的な支援ノウハウを組み合わせることで、短期間で効果的な人材育成を実現します。

最終的には、このモデルをベトナム国内の特別支援機関ネットワークへと展開し、3年間で1万人の子どもと2万人の保護者に質の高い発達支援を届けることを目指します。

ベトナム ハノイでの学生向けの講義の様子

 

3. 共創パートナーの紹介

本事業は、日本とベトナムの複数の機関が連携して取り組みます。エフバイタル社は、特許を有するAI解析デバイスを提供し、子どもの発達状態を客観的に可視化し、支援者に有用な情報を提示する役割を担います。また、ベトナムの特別支援機関は、子どもや家庭を対象とした実践の場として重要な役割を果たし、実際の支援活動と技術を結び付ける基盤となります。さらに、ハノイ医科大学は心理士養成課程を活かし、将来の支援人材の育成に寄与します。これらのパートナーがそれぞれの強みを持ち寄ることで、先進的な技術と実践的な教育が融合し、現地に即した実効性の高い支援と人材育成のスキームを確立していきます。

ベトナムホアビン省 自閉症向け施設でのイベントの様子

 

4. 一般の方へのメッセージ・協力依頼

この事業は、ベトナムに暮らす発達障害のある子どもたちとその家族が、安心して暮らし、のびのびと成長できる社会を実現するための挑戦です。現地では支援体制が十分に整っておらず、保護者は深い不安を抱えながら日々を過ごしています。私たちは、日本で培った発達支援の専門性とAI動画解析技術を組み合わせ、現地の支援者が自律的に子どもと保護者を支えられる仕組みづくりに取り組んでいます。

この活動を成功させるためには、より多くの方々のご協力が必要です。ぜひ私たちと一緒に、ベトナムの子どもたちの未来のためにご支援・ご協力をお願いいたします。現地での活動に直接関わっていただくことはもちろん、興味のある方をご紹介いただいたり、周囲への広報や情報拡散、寄付など、さまざまな形での応援も大変心強いです。皆さま一人ひとりのお力が、この事業を大きく前に進めます。

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採択事業紹介② ガラパゴスから世界へ 生物多様性と地域経済を守る挑戦 – 株式会社坂ノ途中×株式会社バイオーム

アプリBiomeを使った環境教育ワークショップの様子(ボリビア)

 

1.なぜこの事業に取り組もうとしているのか(事業立ち上げの思い)

地球規模で生物多様性の損失が加速しており、このままでは食料や水資源、気候の安定など、人類の生存基盤が大きく損なわれる可能性があります。その影響として、年間44兆ドル規模の自然資本の損失が発生する恐れがあるとも指摘されています。
エクアドル共和国に位置するガラパゴス諸島は、世界遺産であり、約9,000種の固有種を有する生物多様性のホットスポットとして知られています。しかし、外来種の侵入、観光圧力、農地拡大、気候変動といった複合的な要因により、UNESCOからも「世界で最も脆弱な自然遺産の一つ」と警告を受けております。特に農業分野では、持続可能性の低い農法や経済的に不安定な小規模農家の現状が、環境保全と地域経済の両面において負の影響を及ぼしている状況です。
こうした背景を踏まえ、環境保全と生計向上を同時に実現するモデルの構築が求められております。本事業では、ガラパゴスのような象徴的な地域において、コーヒー生産を対象としたアグロフォレストリー(森林農業)の手法を活用し、生物多様性保全型の農業モデルを実証いたします。この取り組みを通じて、科学的データを伴う成果を示し、他の島嶼地域や農村地域にも展開可能なモデルを構築することで、生物多様性保全と小規模農家の収入向上を両立する未来を目指してまいります。

 

ガラパゴスの農園の空中写真

 

2. 何を実施しようとしているのか(事業内容)

本事業では、エクアドル共和国ガラパゴス諸島の小規模コーヒー農家を対象に、アグロフォレストリー型コーヒー生産を導入し、その効果を科学的に検証するPoC(概念実証)を実施いたします。
具体的には、株式会社バイオームが独自に開発した生物多様性モニタリングアプリを活用し、希少種の出現状況や鳥類・アリ・哺乳類などの指標種数、植生の多様性や階層構造、シェードカバー率、緑地連続性など、複数の指標を定量的に記録いたします。これにより、アグロフォレストリーが生物多様性に与える貢献を可視化することを目指します。
また、生産されたコーヒーについては、株式会社坂ノ途中が「生物多様性に貢献するコーヒー」としてブランディングを行い、日本国内のコーヒーロースターに販売します。この取り組みにより、小規模農家は安定した収益を得ると同時に、生物多様性保全に主体的に関わることが可能となります。
最終的には、このモデルを同様の課題を抱える生物多様性ホットスポットへ横展開し、環境保全と経済発展が両立する仕組みを広げていくことを目指しています。

 

アプリ使用シーン

コーヒーを乾燥させている様子

 

3. 誰と実施しようとしているのか(共創パートナーの紹介)

本事業は、京都発のスタートアップ企業2社により実施されます。
株式会社坂ノ途中は、日本国内において環境負荷の少ない農産物の販売を手掛けるとともに、海外から仕入れたスペシャルティコーヒーを日本のロースターに販売する事業を展開しています。同社は、持続可能な農業の推進や小規模農家支援に関する豊富な実績を有しており、エクアドルの現地パートナーや農園とのネットワークも保有しております。
株式会社バイオームは、独自の名前判定AIを活用した生物多様性モニタリング技術を有しており、スマートフォンを活用した簡易計測から高度なデータ解析まで幅広く対応可能です。同社は既にボリビアなど南米地域での導入実績があり、アプリのスペイン語対応も進めているため、ガラパゴス諸島でのフィールド実装において高い即応性を発揮できると考えています。

 

4. 一般の方への協力依頼等があれば

本事業は、ガラパゴス諸島という世界的にも象徴的な地域において、生物多様性保全と小規模農家の生計向上を同時に実現する挑戦的な取り組みです。このモデルを確立するためには、日本および国際社会からの資金的・技術的・市場的な支援が不可欠であると考えています。
特に事業の横展開にあたっては、国際機関や企業の皆様に対し、助成金や協賛による資金提供、サステナブルコーヒーの販路拡大へのご参画などを通じた長期的なご支援をお願い申し上げます。
ガラパゴス諸島での成功は、世界中の同様の課題を抱える地域に波及効果をもたらす可能性を秘めております。また、消費者一人ひとりの選択が、環境保全と地域発展の未来を形づくる力となります。この循環に多くの方々にご参加いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

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採択企業紹介① 日本式医療と先端技術で切り拓く、バングラデシュの心疾患ケア革命-株式会社ジェネラス×株式会社MITAS Medical

株式会社ジェネラス 伊藤 晃氏 途上国での診療の様子

 

1. 共創事業立ち上げへの思い

私たちはこれまで、バングラデシュでのリハビリテーションや保健分野の調査を重ねる中で、日本の医療サービスが現地でも大きな価値を提供できると確信しました。
特に心血管疾患は、現地で主要な死因の一つであり、患者の生活の質を大きく損なうだけでなく、術後の健康に深刻な影響を及ぼしています。しかし、適切なフォローアップやリハビリの機会が乏しく、それが再発や早期死亡につながっている現状を目の当たりにし、「何とかしなければ」という強い使命感を抱くようになりました。

今回、Questという実効性のあるチャレンジ機会に出会い、温めてきた構想を実行に移す後押しを得ました。また、調査を進める中で、医療インフラの整備が進む一方で、多くの人々が正しい医療知識や健康習慣を持たない現状にも課題を感じています。
私たちは、バングラデシュで適切な健康寿命を整えることが、患者やその家族、そして地域社会全体が笑顔で暮らせる未来につながると信じています。それこそが、この事業に情熱を注ぐ理由です。

 

2. 共創事業内容

私たちは、バングラデシュにおける心疾患患者、特に術後患者のケア体制を強化し、非都市部でも機能する心疾患検診支援システムを確立します。
主提案企業である私たちは、日本式急性期心臓リハビリテーションの知見を基盤に、現地医療機関の実情に合わせた包括的ケアモデルを設計。さらに、自社開発の脈拍および心電図を測定できる先端ウェアラブルデバイスを提供し、院内サービスのみならず、院外の都市部・非都市部を問わず患者の状態を継続的にモニタリングし、潜在患者のリスクを早期発見できる環境を構築します。

共創企業は、取得した生体データをクラウド上で一元管理し、解析・共有を容易にするICTシステムを提供します。このシステムにより、医療従事者はいつでも安全かつ効率的に患者データへアクセスでき、診療や経過観察の質を向上させることが可能になります。

本事業を通じて、術後の再発予防や早期発見を実現し、患者の健康寿命を延ばすとともに、医療従事者の負担軽減と地域コミュニティ全体の医療水準向上を目指します。

 

3. 共創パートナーの紹介


株式会社MITAS Medicalの途上国での活動の様子

MITAS Medicalは、日本発のヘルスケアスタートアップとして、スマートフォン対応のモバイル型医療機器や遠隔眼科相談サービスシステムを通じ、世界中で誰もが質の高い診療を受けられる環境づくりに取り組んでいます。
遠隔診療と医療データ活用を強みとし、今回の事業では現地医療機関と密接に連携し、心疾患患者のフォローアップ体制や検診環境を都市部・地方問わず強化していきます。
本事業を通じ、日本の技術と現地の知見を融合し、患者の健康寿命延伸と地域社会全体の医療水準向上を目指します。

 

4. 一般の方へのメッセージ・協力依頼

本事業は、製品の技術進歩だけでなく、「現地の人々の生活を変えたい・良くしたい」という私たちや共創企業の思いによって形になっています。
バングラデシュでの導入・普及を加速させるため、以下の分野でのご協力を広く呼びかけます:

  • 資金的支援: 製品の品質改良、輸送、現地スタッフ教育、遠隔診療環境整備などに活用します。
  • 人的協力: 医療・リハビリ・IT分野の専門家や教育プログラム開発に携わる人材。
  • 連携パートナー: 技術やノウハウを共有し、事業を共に推進できる企業・大学・自治体など。

皆さまの協力は、心疾患患者や潜在的な心疾患患者の早期発見だけでなく、バングラデシュで十分に浸透していない「リハビリテーションの重要性」を広める活動にも直結します。現地では、心疾患や脳梗塞など重篤な疾患を発症しても、適切なリハビリを受けられず社会から離脱せざるを得ないケースが多くあります。本事業はこの現状を変え、患者が日常生活や社会活動に復帰できる環境づくりを後押しします。

これらの取り組みは、地域社会の医療水準向上へとつながり、皆さまの力が国境を越えて重要な社会実装を進める原動力となります。
どうぞ、日本の優れた医療技術を途上国に還元するこの挑戦に、共にご参加ください。

 

■ コンタクト先

伊藤 晃/ Akira Ito
株式会社ジェネラス/  Generous Co., Ltd.
460-0012  愛知県名古屋市中区千代田二丁目16番28号 グラシア2号館4階
リハビリテーション・予防医学研究部門/ Department of Rehabilitation and Preventive Medical Research
主任研究員・理学療法士/ Principal Investigator  ・ Physical Therapist
アドレス:ak-itou@generous.co.jp
携帯番号:070-3348-7632

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